創造の悪魔に憑かれた男がいた!

月と六ペンス

月と六ペンス

モーム    
土屋政雄  訳   

20世紀の大ベストセラー小説を決定訳で

作品

天才画家が、恐ろしい病魔に冒されながら最期まで絵筆を離さなかったのは何故か──。生前、彼と面識のあった作家の「私」が、知られざる過去と、情熱の謎に迫る。画家ゴーギャンをモデルにしたモームの代表作。


物語

新進作家の「私」は、知り合いのストリックランド夫人が催した晩餐会で株式仲買人をしている彼女の夫を紹介される。特別な印象のない人物だったが、ある日突然、女とパリへ出奔したという噂を聞く。夫人の依頼により、海を渡って彼を見つけ出しはしたのだが......。


ウィリアム・サマセット・モーム    Willam Somerset Maugham
[ 1874 - 1965 ]    イギリスの劇作家、小説家。イギリス人の両親のもと、フランスで生まれる。幼くして両親を亡くし、イギリスの叔父に引き取られる。10代は学校生活になじめず読書に逃避。やがて演劇の面白さに目覚め、作家を志すが、現実的な選択として、医学校に入学。1897年、貧民街での実習経験をもとにした『ランベスのライザ』を出版。1907~1908年にはロンドンで上演された戯曲が次々に大成功を収め、社交界の名士となる。第一次大戦中は、英国諜報部員として諜報活動に従事。40代以降は、ヨーロッパ各地や南太平洋の島々をたびたび訪れ、数々の短編を生み出した。長編の代表作に『人間のしがらみ』『月と六ペンス』など。
[訳者] 土屋政雄    Tuchiya Masao
翻訳家。訳書に『千の輝く太陽』(カーレド・ホッセイニ)、『コンゴ・ジャーニー』(レドモンド・オハンロン)、『エデンの東』(ジョン・スタインベック)、『日の名残り』『わたしを離さないで』『夜想曲集』(カズオ・イシグロ)、『日本文学の歴史 古代・中世篇』(ドナルド・キーン)、『イギリス人の患者』(マイケル・オンダーチェ)、『月と六ペンス』(サマセット・モーム)『ダロウェイ夫人』(バージニア・ウルフ)ほか多数。
書評
2020.06.06 朝日新聞    古典百名山 サマセット・モーム「月と六ペンス」 すべての人生、皮肉る知性(桜庭一樹さん)