鬼才ホフマンが駆使する破天荒な想像力!

黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

ホフマン    
大島かおり  訳   

作品

彼の作品世界は、幻想的ではあるが、けっして耽美的な夢の世界ではなく、むしろ彼の生きた社会と時代の陰画なのだ。無類の皮肉と笑いを武器に戯画的リアリズムをもってそれを描いたのである。(解説より)


内容

美しい金緑色の蛇に恋した大学生アンゼルムスは非現実の世界に足を踏み入れていくが......(「黄金の壺」)
17世紀のパリ。天才的な職人が手がけた宝石を所有する貴族たちがつぎつぎと襲われる。ようやく逮捕された犯人は意外な人物だった!(「マドモワゼル・ド・スキュデリ」)


収録作品
  • 黄金の壺
  • マドモワゼル・ド・スキュデリ
  • ドン・ファン
  • クライスレリアーナ(小品を抜粋)
エルンスト・テオドア・アマデウス・ホフマン    Ernst Theodor Amadeus Hoffmann
[ 1776 - 1822 ]    ドイツの作家。ケーニヒスベルク生まれ。2歳のときに母の実家に引き取られる。ケーニヒスベルク大学法科に入学後、もっぱら作曲や楽器演奏、絵画に励む。卒業後、司法官試補を経て陪席判事に任じられる。1804年、南プロイセン政庁参事官としてワルシャワ入りし、2年後、ナポレオン軍のワルシャワ侵攻のために失職。劇場音楽監督の職を求めてバンベルク劇場と契約。支配人補佐の地位を得た後、作曲家、演出家として活躍する。1814年『カロ風幻想作品集』を出版。旺盛な作家活動を展開し、一躍、流行作家となる。その後、ベルリン大審院判事に復職した。1819年『ネコのムル君の人生観』執筆開始。46歳で、脊椎カリエスのため死去。
[訳者] 大島かおり    Oshima Kaori
1931年生まれ。東京女子大卒。翻訳家。訳書に『モモ』(エンデ)、『天皇の逝く国で』(フィールド)、『アーレント=ヤスパース往復書簡』(アーレント、ヤスパース)、『黄金の壺/マドモアゼル・ド・スキュデリ』『砂男/クレスペル顧問官』(ホフマン)、『ミシンと日本の近代――消費者の創出』(ゴードン)など多数。