「短篇の職人」コッパードが描いた珠玉の11篇。

天来の美酒/消えちゃった

天来の美酒/消えちゃった

コッパード    
南條竹則  訳   

荒俣宏氏推薦!「短編の神コッパードが描く、英国の奇想、恐怖、不思議」

作品

小説の"型"にはまらない意外な展開と独創性。幻想怪奇小説やファンタジーの枠に収まらない破天荒な物語を、無常感とユーモア漂う文体で紡いだ短編小説の精華。南條竹則・幻想シリーズ第4弾!


内容

故郷の酒蔵で見つけた一本の麦酒で人生が急変する男を描く「天来の美酒」。車で旅する夫婦と友人が大きな街で一人、また一人と消えていく「消えちゃった」。生涯、短篇小説を中心に執筆し続けた「短篇の職人」コッパードが練達の筆致で描いた珠玉の11篇。


収録作品
  • 消えちゃった
  • 天来の美酒 *
  • ロッキーと差配人(さはいにん)
  • マーティンじいさん *
  • ダンキー・フィットロウ *
  • 暦博士 *
  • 去りし王国の姫君
  • ソロモンの受難 *
  • レイヴン牧師 *
  • おそろしい料理人 *
  • 天国の鐘を鳴らせ *
  • *は本邦初訳
アルフレッド・エドガー・コッパード   
[ 1878 - 1957 ]    英国のケント州フォークストンの貧しい家に生まれ、5歳で港町ブライトンへ移り住む。9歳のとき父親が亡くなり、極貧生活のなか、10歳でロンドンの伯父の家に引き取られる。その後、再びブライトンに戻り、油の販売、石鹸製造業、運送会社、土木会社など様々な仕事につきながら本を読み漁る。29歳でオックスフォードへ移り、33歳から詩や小説を書きはじめる。1916年、短篇「Communion」が初めて雑誌に掲載され、以後、幻想的で詩情に溢れた短篇小説と詩を中心に執筆。晩年までその創作意欲は衰えなかった。
[訳者] 南條竹則    Nanjo Takenori
東京生まれ。小説『酒仙』で第5回ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。主な著書に小説『あくび猫』、エッセイ『恐怖の黄金時代──英国怪奇小説の巨匠たち』『ドリトル先生の英国』『吾輩は猫画家である』。主な訳書に『ねじの回転』(ジェイムズ、共訳)、『D.G.ロセッティ作品集』(共訳)、『木曜日だった男 一つの悪夢』(チェスタトン)、『白魔』(マッケン)、『天来の美酒/消えちゃった』(コッパード)、『秘書綺譚』『人間和声』(ブラックウッド)、『怪談』(ラフカディオ・ハーン)、『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』(ワイルド)、『消えた心臓/マグヌス伯爵』(M・R・ジェイムズ)、『アーネスト・ダウスン作品集』、『新アラビア夜話』(スティーヴンスン、共訳)、『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』(オブライエン)、『エリア随筆』(ラム)など。