2010.06.15
望月哲男さんの新訳『アンナ・カレーニナ』がロシア文学国際翻訳者センターコンクールで最優秀翻訳賞を受賞!
望月哲男さんの新訳『アンナ・カレーニナ』(トルストイ)がロシア文学作品優秀翻訳コンクールで最優秀翻訳賞(散文部門)を受賞されました。亀山郁夫さんのプーシキン・メダル受章(2008年)に続く快挙です。おめでとうございます!
このコンクールは、ロシア文学国際翻訳者センターが主催するもので、式典は7月1日にペテルブルグで行われます。式典の模様など続報はこのブログでお届けします。
ロシア文学国際翻訳者センターのWebサイトに掲載されたコンクールの内容と結果は下記↓です。
ロシア文学国際翻訳者センターの審査委員会は、ロシア文学作品優秀翻訳コンクールの結果を集計いたしました。
本年のコンクールには、ヨーロッパ、アジア、ラテン・アメリカから10カ国以上の参加があり、当センターとともに、ドイツ翻訳家同盟、オランダ文学基金、トルコ文学翻訳家同盟、全中国ロシア文学研究協会、キューバ作家・芸術家同盟の文学翻訳部門、カタルーニャ作家協議会など、多くの文学機関・協会にご協力をいただきました。
審査委員会は、各翻訳作品の質の高さとロシア文学への貢献に対して、以下の作品に栄誉賞状を授与いたします。
栄誉賞状を授与されたのは、以下の参加者です。
- 1. セルマ・アンシラ(Selma Ancira, メキシコ):L. N. トルストイ『書簡集』
- 2. サブリ・ギュルセス(Sabri Gulses, トルコ):アンドレイ・ベールイ『グロッソラリヤ(神授言語)』
- 3. チョウ・ツィチャオ(中国):M. ブルガーコフ『運命の卵』
- 4. レイン・サルリ(Rein Saluri, エストニア):V. ナボコフ『断頭台への招待』
- 5. ノエミ・ディアス・ヴィリチェス、マルシア・ガスカ・ヘルナンデス(Noemi Diaz Vilches, Marcia Gaska Hernandez, キューバ):『現代ロシア散文全集』
- 6. ドロテア・トロッテンベルク(Dorothea Trottenberg, スイス):I. ブーニン『太陽の聖堂』
コンクールの結果を見ると、翻訳対象となったロシア作家は極めて多岐にわたっています。ロシアの古典的作品の新訳とともに、外国人読者にはあまり知られていない作家やロシア文学作品も見られます。
本年受賞したのは以下の作品です。
-
1. 散文部門:卓越したロシア文学作品翻訳に対する、当該国の歴史初の翻訳の功績を讃えて
国:アゼルバイジャン
訳者:ヴェリハンリ(サフェロフ)・テルマン・ハムザガ・オグル(Velihanli (Caferov) Telman Hamzaga oglu)
作品:F. M. ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』
- 2. 散文部門:ロシアの古典作品の普及およびロシアの文学的イメージ更新の功績を讃えて
国:日本
訳者:望月 哲男
作品:L. N. トルストイ『アンナ・カレーニナ』
- 3. 詩部門
国:オランダ
訳者:マルグリート・ベルク、マリア・ヴィーベス(Margriet Berg, Marja Wiebes)
作品:A. A. アフマートヴァ『選集』
- 4. 初訳:詩
国:オランダ
訳者:フラウキエ・スロフストラ(Froukje Slofstra)
作品:V. S. グロスマン『人生と運命』
受賞者の方々に祝意を申し上げるとともに、コンクール運営へのご参加・ご協力に心より感謝申し上げます。
センターの他の活動方針に関しても、さらなるご協力を期待しております。
詳しくは、ロシア文学国際翻訳者センターWebサイトをご覧ください。