6月17日(木)国立国会図書館で、国民読書年記念朗読イベント(国立国会図書館/出版文化産業振興財団(JPIC)共催)「日本語と翻訳--シェイクスピア『マクベス』朗読と作品解説--」が行われました。 はじめに小林章夫さん(上智大学文学部教授)から、シェイクスピア作品と当時の演劇について、 ●シェイクスピアは劇団に所属する座付き作家だったので、仲間である役者にあった役を設定して臨場感のある作品を作っていたこと ●ほとんどの作品には原作があり、それをアレンジして脚本を作ったこと ●当時女優はおらず、女性役は声変わり前の少年が演じたこと ●役者は一人で何役も演じ、演出は幹部の役者が務めること ●当時の劇場はすべて立ち見で、屋外劇場だったので日中に公演が行われていたこと など、短い時間でシェイクスピア演劇のABCを楽しく解説をしていただきました。 シェイクスピアは、ジェームス6世の即位時に気の効いた公演をして"助成金"も地位も名声も手に入れた手練の人物だったとは。 その後、『マクベス』を新訳された安西徹雄さんが生前演出家として活躍された演劇集団 円によるリーディング公演がスタート。 マクベスとその夫人が王殺しに手を染め、その後破滅へと向かう場面を中心に、圧倒的な声の力で魅せる5名の役者さん。そして主役のマクベス役以外は、シェイクスピアの時代のように複数の役をこなし、声と立ち方、姿勢だけで一瞬に役が切り替わるその役者としての力量に圧倒されました!
演劇集団 円
《構成・演出》前川錬一
《出演》有川博、上杉陽一、吉見一豊、茶花健太、原田大輔
《効果》山根舞
■このイベントの詳細は>>
■小林章夫先生から、より深くシェイクスピアを知るための本をおすすめいただきました
『彼方からの声―演劇・祭祀・宇宙』
安西徹雄:著 筑摩書房 2004年刊行
定価:4,095円(税込)
『シェイクスピア・ハンドブック』
河合祥一郎・小林章夫:編
三省堂 2010年6月新刊です!
定価:1,575円(税込)
マクベス
シェイクスピア/安西徹雄 訳
定価(本体560円+税)