光文社古典新訳文庫の新しい企画--「ドイツの古典図書を古典新訳文庫で読む」を1月28日(金)から開催します。 これは光文社と東京ドイツ文化センターが共同で開催するシリーズ企画で、ドイツの文化を理解する上で重要な作品を翻訳者の解説を受けながら徹底的に読んでいく、というもの。翻訳者との質疑応答の時間も設けられていますので、ドイツ文化を深く理解する絶好の機会になると思います。 第1回シリーズは、中山元さん(『純粋理性批判』などの翻訳者)を講師にお迎えし、ドイツの最も重要な哲学者の一人イマヌエル・カントを取り上げます。 『純粋理性批判』の新訳を軸としながら、それをさらに展開し、「自由」の概念に着目してカント哲学全体の核の部分を探る「自由の哲学者、カント」というテーマで、6回に分けてお話いただきます。 中山元さんによる新訳『純粋理性批判』の第4巻は、光文社古典新訳文庫2011年最初の刊行になります。2011年はカントで始めてみませんか。
哲学とは自分で考えることである。そのためにはドグマではなく、批判が必要であること。それが啓蒙という姿勢につながること。この批判のためにカントが採用したのが超越論的なまなざしであること。 基本図書:『純粋理性批判』
超越論的なまなざしと自由。超越論的な統覚における自我と自由。第三アンチノミーにおける自由の概念。超越論的な自由。
基本図書:『純粋理性批判』と『実践理性批判』
カントの道徳理論の根幹にある自由と自立の概念。『純粋理性批判』との関連性。正義と自由。
基本図書:『純粋理性批判』と『実践理性批判』
趣味の概念と自由。自由であることの共同性。自然のうちでの自由。公民的な社会の建設、社会契約における自由。
基本図書:『判断力批判』
社会契約に基づいた国家と政治体制論。共和制とルソー。社会における自由の概念。他者との共同性における自由。歴史と自然の狡智について。
基本図書:『啓蒙とは何か/永遠平和のために』
宗教の否定的な意味と肯定的な意味。
西洋社会における宗教と自由。
基本図書:『理性の限界内における宗教』