光文社と東京ドイツ文化センターが共同で開催するシリーズ企画--「ドイツの古典図書を古典新訳文庫で読む」の第2弾の詳細が決定しました! 大好評だった第1弾の中山元さんによる「自由の哲学者、カント」に続き、今回取り上げる作家は、トーマス・マン。講師には、『ヴェネツィアに死す』、『だまされた女/すげかえられた首』、『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』と、これまで古典新訳文庫で3つのマン作品を翻訳された岸美光さんをお迎えします。 今回の講座では、最新作『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』を取り上げ、3回に渡って岸さんに講演と解説をしていただきます。ぜひ、ご参加ください。 ●『詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)』は今年8月に発売、下巻は10月12日(水)に発売。
詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上) マン/岸 美光 訳 定価(本体1048円+税)『クルルの告白』を読むとクルルの保守的発言に読者は、違和感を受ける。トーマス・マンはなぜこのようなテキストを書いたのだろうか。そこにこそマンの政治的立場が反照的に浮かび上がる。
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『クルルの告白』は、ゲーテの自伝的作品『詩と真実』のパロディーとして書かれている。このパロディーの文体、重層的な物語構造を、マンはどのような意図で用いたのか。詐欺師を主人公にしたアイデアとともに探る。
第3回 トーマス・マンのイロニーという視線 2011年12月16日(金)18:30〜以上の議論を踏まえると、マンの創作の基本姿勢であるイロニーの視線が浮かび上がってくる。このことをこの小説の読解を通じて読みとり、マンの他の小説のテキストも展望する。
《講師》岸 美光さん 1948年 埼玉県生まれ。元・東京都立大学教授。ドイツ文学専攻。主な訳書に『大きなケストナーの本』(ケストナー、リスト編、共訳)『ヴェネツィアに死す』(マン)、『だまされた女/すげかえられた首』(マン)など。