2月10日(日)午後3時、とても寒い日でしたが、亀山先生の強いご希望で、都内にある撮影スタジオで第8話を収録中のところにお邪魔しました。担当編集者も初めてのスタジオ訪問で興味津々。まずはスタジオを早速見学。
舞台となる黒澤家の屋敷は外観を鎌倉にある文学館を使用しているため、亀山先生は毎回のドラマの屋敷内の様子も鎌倉文学館の中で撮影していたと思っていたそうで、黒澤家の大広間のスタジオセットを見て、とてもびっくりされていました。原作から読み取ったイメージで細かいところまで想像力を働かせて選ばれた調度品や家具、小物の素晴らしさに感嘆の声、しきりでした。
「それにしても立派なセットだね。収録が終わったら壊してしまうのはもったいない」と先生は何度も嘆息を漏らされていましたが、同行した編集者も、セットにいるというより豪壮な邸宅に招かれたような錯覚に陥りました。とにかく重厚。
そのあと実際のリハーサルと本番を見学。主役の市原隼人さんほか、役者さんたちの真剣な演技を間近にして「すごい迫力があるね」と先生も真剣なまなざしで見つめていました。たくさんのスタッフが集まって、一つのシーンを作り上げていく様子は、ただただ「熱い」の一言。現場の熱気に気圧されるような気がしました。亀山先生も鮮烈な印象を持たれたようで、久々に感動の体験でした。
また、先生からプロデューサーの森安彩さんと企画、編成の佐藤未郷さんに、ドラマ作りについての感想とたくさんの質問がありました。日本を舞台にして展開される今回のドラマの苦労や工夫についての数々のエピソードには、亀山先生も感慨深げでしたが、前夜の放送もきちんと細かいところまで観たうえでの質問には、森安さんも佐藤さんも感激されたようです。
最後に階上の調整室に上がり、監督の都築淳一氏に挨拶。まるでNASAの宇宙基地のようにずらりと並ぶモニターなどの機器に圧倒されていました。熱い現場とハイテクの組み合わせの妙に、亀山先生は「びっくりするね」。同行編集者も階下のドラマのセットとのコントラストの不思議さが印象に残りました。