紀伊國屋書店電子書店Kinoppyとコラボレーション企画「Readers Club読書会(Readin Session)」、第8弾はゾラ『オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家 ゾラ傑作短篇集』(2015年6月刊)の訳者・國分俊宏さんをお迎えして開催します。
ゾラといえば、文学史的には『居酒屋』や『ナナ』に代表される長篇小説が有名で、町の貧困層を描く「社会派」という印象が強いのですが、この短篇集はそんなゾラ像とは正反対。
ちょっと怪奇小説っぽい設定の奥に深くて静かな感銘を受ける「オリヴィエ・ベカイユの死」や「呪われた家」、夫婦の複雑な関係性を一見突飛な物語の中に圧巻の筆力で描ききる「ナンタス」「スルディス夫人」、そして官能的で(というかよく読むと下ネタ満載で)強烈なオチのつく「シャーブル氏の貝」。どれも、ゾラってすごい短篇作家だ!と思わせる面白さです。しかも、「オリヴィエ・ベカイユの死」以外の4篇は、本邦初訳です!
今回の読書会では、翻訳者の國分俊宏さん(青山学院大学教授)をお迎えして、今回の短篇作品の選び方と読みどころ、新訳における工夫、そしてゾラとはいったいどういう作家なのかについて、縦横無尽に語って頂きます。