紀伊國屋書店電子書店Kinoppyとのコラボレーション企画「Readers Club読書会(Readin Session)」、第12弾は、刊行がスタートしたドストエフスキー『白痴』の訳者・亀山郁夫さんをお迎えして開催します。
ドストエフスキーの5大長編小説の第四弾。『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』に続いて、ついに『白痴』の刊行が始まりました。待望久しい亀山郁夫先生の新訳です。主人公ムイシキン公爵と恋敵のロゴージンの列車での出会いから、物語は始まります。絶世の美女、ナスターシャをめぐる恋のさや当てが、狂気に満ちた激しさで繰り広げられます。また「この世でもっとも美しい人」ムイシキン公爵がみずから目撃した死刑を語る場面も、ドストエフスキーの個人的な体験を彷彿とさせる緊迫感にあふれていて読みどころのひとつ。スピード感あふれる文体で、物語は進んでいきます。ドストエフスキーの長編小説のなかでは、異色とも言える恋愛を主題にしたこの小説の無類の面白さが、全篇に横溢しています。亀山訳ならではの、親しみやすさと人物描写の巧みさが読者をとらえて離しません。いつもながらの丁寧な解説も読み応え万点。
今回の読書会では、本書を翻訳された亀山先生をお迎えして、この作品の読みどころや魅力、これまでの長編の翻訳との関連、新訳における工夫や苦労といったことについて、縦横無尽に語って頂きます。
※『白痴 1』は11月11日(水)発売です。