紀伊國屋書店電子書店Kinoppyとのコラボレーション企画「Readers Club読書会(Readin Session)」、第13弾はハクスリー『すばらしい新世界』の訳者・黒原敏行さんをお迎えして開催します。
西暦2540年。人間の工場生産と条件付け教育、フリーセックスの奨励、快楽薬の配給によって、人類は不満と無縁の安定社会を築いていた。だが、時代の異端児たちと未開社会から来たジョンは、世界に疑問を抱き始め......
驚くべき近未来とそこに生きる人々を描いたオルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』は、新訳発売以来、大変な人気を博し、版を重ねています。本書はSFの古典として知られていますが、世界が進む方向性を(80年前に書かれたとは思えないほど)的確に予測し、そこに潜む危険性を見事に提示している作品であり、まさにいま再び読まれるべき作品です。
また、ユーモアに満ちあふれる筆致、魅惑的な登場人物、そしてスタイリッシュでさえある社会情景の描写は、古典であることを忘れさせるほど現代的です。いまだに世界中で熱狂的なファンがいて、本作がたびたび引用されるのは、本書が鋭い洞察と批判精神に満ちているのみならず、胸躍るような読書体験を提供してきたからに他なりません。
今回の読書会では、本書を翻訳された黒原敏行さんに、この作品の読みどころや魅力、新訳における工夫や苦労といったことについて語って頂きます。