「光文社古典新訳文庫 読書エッセイコンクール2015」の入賞者が決定しました。感想文コンクールから数えて8回目となった今回も多数の作品をご応募いただきました。ありがとうございました。
小・中学生部門、高校生部門の最優秀賞作品を本サイトに掲載中です。 また、12月20日発行の朝日中高生新聞に入賞者と小・中学生部門、高校生部門の最優秀賞作品が掲載されています。
光文社古典新訳文庫は、今年9月で創刊9周年を迎えました。来年の創刊10周年という大きな目標に向かって、さらに斬新な新訳を世に送るべく、これからも努力していくつもりでおります。そして、この読書エッセイコンクールも、今年で第8回。たくさんの読者の方々に支えられてここまで成長することができました。一冊の本を読み、感想をまとめるという行為は、それほど簡単なことではありません。にもかかわらず毎回1000 通を超える優れたエッセイを寄せていただいたこと、心より感謝しております。老若男女を問わず、古典の魅力を自由闊達(かったつ)に語る文章を読むことは、審査員を務める先生方 はもちろん、われわれ編集部にとっても大きな喜びです。
今回は特にエッセイとしての水準が高くなったことを痛感しました。たんなる感想文ではなく、一編の作品として完成度の高いものが多くなり、審査会ではその見事な出来栄えに、しばしば賛嘆の声が上がりました。特に小・中学生部門の『車輪の下で』を取り上げられた黒田ひかるさんの「気持ちを大切に」と高校生部門の『老人と海』の老人の生き方をテーマにした節政英雄さんのエッセイをお読みいただければ、そのことが十分ご理解いただけると思います。
読書離れが叫ばれる時代ではありますが、今回のコンクールの審査を通じて、それが杞憂(きゆう)にすぎないことをあらためて痛感しました。
最後になりましたが、この読書エッセイコンクールにご応募いただいたすべての方々に心より感謝申しあげます。ありがとうございました。
株式会社 光文社出版局長 駒井 稔