紀伊國屋書店電子書店Kinoppyとのコラボレーション企画「Readers Club読書会(Readin Session)」、第17弾はナボコフ『カメラ・オブスクーラ』『絶望』の訳者・貝澤哉さんをお迎えして開催いたします。
ナボコフ(1899-1977)は帝政ロシアに生まれ、亡命先のベルリンではロシア語で、そしてアメリカへ渡ったのちは英語で小説を書き続けました。
英語で書かれた『ロリータ』(1955)が大ベストセラーとなり国際的にも評価が高まりますが、じつはこの作品の原型とも言える作品がベルリン時代に書かれた『カメラ・オブスクーラ』なのです。また同じベルリン時代の作品『絶望』は、自分と瓜二つの男を身代わりに完全犯罪をもくろむという話です。2作とも細部の緻密な面白さが際立つ作品で、英語版との違いもロシア語原典からの新訳の魅力です。独特な比喩、色彩感豊かな描写と巧妙な仕掛けによるストーリー。今回はこの2作品を新訳された貝澤さんに"言葉の魔術師"ナボコフの魅力について、またロシア語と英語の作品とではどのような違いがあるのかなど、ナボコフの魅力を多角的に語っていただきます。