紀伊國屋書店電子書店Kinoppyとのコラボレーション企画「Readers Club読書会(Readin Session)」、第18弾はラファイエット夫人『クレーヴの奥方』』の訳者・永田千奈さんをお迎えして開催いたします。
登場人物の心理描写に重点を置く「心理小説」は、いわばフランスの恋愛小説の伝統。ラクロ『危険な関係』、コンスタン『アドルフ』、ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』などが有名ですが、スタンダールやプルースト、ジッドなどの作品にもその伝統は受け継がれています。これら心理小説の嚆矢といえる作品こそ、宮廷に身を置くラファイエット夫人(1634-1693)が当初匿名で発表した小説『クレーヴの奥方』です。激しい恋愛感情に悩みながらも、自分の意志を貫き、誇り高く生きる女性の姿を生き生きと描いた本作は、洋の東西を問わず大きな影響を与え、何度も舞台化・映画化されています。いまもなお輝きを放つ本作の魅力について、フランス文学翻訳者の永田千奈さんにたっぷりと語っていただきます。