不敬神の罪で告発され、死刑を言い渡されたソクラテスは、野外の法廷で聴衆に向けて自らの罪状について弁明を述べ、所信を力強く語ります。彼が示したのは、「知を愛し求める」あり方、すなわち哲学者として生きることこそが人間として生きることである、ということでした。そもそもソクラテスの裁判とは何だったのか。ソクラテスの生と死とは何だったのか。『ソクラテスの弁明』は、ソクラテスの弟子であったプラトンがその真実を「哲学」として後世に伝えた「対話篇」の代表作であり、2000年以上の時を超えて読み継がれてきた古典中の古典です。
今回のイベントでは国際プラトン学会の会長も務められた納富信留先生に、ソクラテスとはどういう哲学者だったのか、プラトン対話篇の魅力とは何かといったことを存分に語っていただきます。