アメリカの文学史にひときわ輝く詩人ウォルト・ホイットマン。自身の感情を書き付け、民衆に訴えかけ、民衆と一体化しようとした代表作『草の葉』は、まさに「アメリカの魂」と言っても過言ではありません。それから100年以上が経ち、9.11同時多発テロを経て、「アメリカ・ファースト」を掲げたトランプ政権が誕生した現代、ホイットマンの詩からわれわれは何を汲み取り、何を学ぶべきなのでしょうか。
また、ホイットマン以降、アメリカの詩人たちはアメリカをどのようにとらえてきたのでしょうか。昨年のノーベル文学賞を受賞し、ある意味「現代のホイットマン」とも呼ばれるボブ・ディランに至るまで、アメリカ詩に通底する魂、その読みどころ、楽しみ方などを、『おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)』を新訳された飯野友幸さんにたっぷりと語っていただきます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)