身を滅ぼすまでに愛し合った男女の恋愛悲劇――プレヴォ『マノン・レスコー』は18世紀フランス小説の傑作であり、当時ヨーロッパで熱狂的人気を博したのみならず、その後300年近くも世界中で読み継がれてきました。オペラや映画の原作としても知られています。これまで本作は、男の運命を狂わす「宿命の女(ファム・ファタール)」を扱った作品と紹介されることも多かったのですが、今回の野崎歓さんによる新訳を読むと、愛し合う二人の心が、いかなる類型化からも逃れるほどに自由で、情熱的であることがうかがえます。
今回の読書会では、『マノン・レスコー』の読まれ方の変遷や、時を超えて読み継がれる魅力について、訳者の野崎歓さんにたっぷりと語って頂きます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)