日本の文化、伝統、習慣を世界に紹介し、いまや「日本の古典」になったと言っていいほど有名な「耳なし芳一の話」「むじな」「ろくろ首」「雪女」......。日本をこよなく愛したラフカディオ・ハーン(日本名、小泉八雲)が、日本古来の文献や伝承をもとに 流麗な文章で創作した怪奇短篇集を、ハロウィンの日に取り上げることになったのも何かの縁かもしれません。このハーンの代表作を、「年来の怪奇趣味と再話文学に於ける円熟した技倆、そして日本文化への共感・理解といった諸要素が結晶している」と語る訳者の南條竹則さんは、「訳者あとがき」も怪談にして締めくくってくれました。今回の読書会では、『怪談』に見られる"和テイスト"の怪奇の魅力はもちろん、イギリスやフランス、中国の怪奇話や国民性の違いなど、「お化け」をめぐるアレコレについても語っていただきます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)