「偉大なイギリス小説第1位(2015年BBC)」に選ばれるなど、世界的にもきわめて評価の高いジョージ・エリオットの小説『ミドルマーチ』。その新訳(全4巻)が、光文社古典新訳文庫で今年3月、ついに完結となりました。
英国中部の地方都市を舞台に、時代の空気を活写しながらも、男女の恋愛や結婚にまつわる心の機微を圧倒的な緻密さで描きつつ、最終的には壮大な社会絵巻に織り上げている本作。全4巻という分量に尻込みしそうですが、時にサスペンスフルにも展開する本書は極上のページターナーでもあります。その面白さの源泉はどこにあるのでしょうか。また、著者はどんな人物で、なぜこのような物語を書けたのでしょうか。今回の読書会では、翻訳者の廣野由美子さんに、本作の魅力についてたっぷりと語って頂きます。
また、この『ミドルマーチ』を題材に、小説で用いられるテクニックを解説し、歴史・宗教・科学・芸術などの着眼点から小説世界をさらに愉しむ方法を伝授する廣野さんの新著、『小説読解入門――『ミドルマーチ』教養講義』(中公新書)も4月に刊行になっています。本書についても合わせてお話をうかがいます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)