2021.08.05

【Zoom配信】紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#70 天才ラディゲの遺作『ドルジェル伯の舞踏会』、初めて邦訳された「最終形」の秘密 訳者・渋谷豊さんを迎えて

渋谷豊さん

1924年に20歳の若さでこの世を去ったフランスの作家ラディゲは、生涯『肉体の悪魔』と遺作『ドルジェル伯の舞踏会』の2つの長篇を残しました。濃密な官能性と反社会性をまとった『肉体の悪魔』とは対照的に、同様に「道ならぬ恋」を主題にしつつも、貞操観念の強い古風な人妻をヒロインとした『ドルジェル伯の舞踏会』は、その精緻な心理描写と端正な文体で大好評を得ました。当代きっての批評家アルベール・チボーデは、作中人物たちの心の動きをチェスにたとえ、「象牙の駒と駒がぶつか乾いた音」が聞こえるようだと評しています。まさに、フランス心理恋愛小説の伝統の最高到達点といえる作品です。

そんな『ドルジェル伯の舞踏会』は日本でも多くの翻訳で愛されてきましたが、これまでの邦訳はすべて、ラディゲの友人であるコクトーらがラディゲの死後に修正を加えた「初版」から訳されたものでした。これに対し、今回の新訳は日本で初めて、ラディゲ本人が承知していた本作の最終的な姿(「最終形」)に基づく批評校訂版を底本としています。両者にはどのような違いがあり、その違いは何を意味しているのでしょうか。一人の天才とその仲間たち、そして彼の遺作がたどった数奇な運命を、本書を翻訳された渋谷豊さんにたっぷり語っていただきます。

(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

 

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会 #70
天才ラディゲの遺作『ドルジェル伯の舞踏会』、初めて邦訳された「最終形」の秘密
ドルジェル伯の舞踏会《日時》2021年8月26日(木)18:30~20:00
《会場》Zoom(オンライン)
《参加費》無料
《参加方法》2021年8月5日(木)10:30~8月26日(木)17:30の間、紀伊國屋書店ウェブストアにて、参加お申し込みを承ります。応募人数が予定を超えた時点で締切とさせていただきますのでご了承くださいませ。 ※ご案内メールを当日までにメールでご連絡します。メール配信日:8月23日・26日の2回
お申し込みについて、詳しくは 紀伊國屋書店ウェブサイトをご覧ください
[渋谷豊(しぶや・ゆたか)さんプロフィール]
1968年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1995年から8年間のパリ滞在を経て、現在、信州大学人文学部教授。パリ第四大学文学博士。訳書に『人間の大地』(サン=テグジュペリ)、『海底二万里』(ヴェルヌ)、『ぼくのともだち』、『きみのいもうと』(ボーヴ/日仏翻訳文学賞受賞)、『鶏のプラム煮』(サトラピ)、『母の家で過ごした三日間』(ヴェイエルガンス)など。
渋谷豊さんのプロフィール詳細(古典新訳文庫での訳書一覧)