2021.10.07

【Zoom配信】紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#72 コロナ禍で再注目! カミュ『ペスト』に見る、人類と不条理との闘い 訳者・中条省平さんを迎えて

中条省平さん

20世紀フランスを代表する作家アルベール・カミュの小説『ペスト』が、新型コロナウイルスのパンデミック以来、全世界でふたたび注目されています。

『ペスト』の舞台は1940年代、アルジェリアのオラン市。突如として死の伝染病が発生した同市は市境が封鎖され、人々の行動は大幅に制限されることに。感染者が増えるにつれ、病床や埋葬地が不足し、血清の開発にも時間がかかり――と、まさに現代のわたしたちが経験しているものと相似形の光景が描かれていることに、読者は驚くことでしょう。

疫病、あるいは戦争や天災など、恐るべき力で日常生活を支配する、人間には理解不能な災厄――それこそがカミュ文学の大きなテーマ「不条理」なのです。絶望的なテーマに思えますが、カミュは『ペスト』では、その不条理に降参せず、事態の収拾のために奔走する人々の姿を描くことで、少なくとも希望を見出そうとしているように思えます。いつ終えるとも知れぬ災厄の中にあるわたしたちは、カミュの小説を読んで、何を学び、いかに振る舞うべきなのでしょうか。

今回の読書会では、光文社古典新訳文庫『ベスト』の翻訳者である、フランス文学者の中条省平さんをお迎えし、この作品の魅力と、いま読む意義とをたっぷりと語っていただきます。

中条さんは、2018年にはNHK「100分de名著」の『ペスト』の回にも出演され、また今年8月には新著『カミュ伝』も発売になっています(インターナショナル新書)。ぜひこの機会に、中条さんのわかりやすい新訳と、切れ味の良い解説で『ペスト』を味わってみませんか。

(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

 

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会 #72
コロナ禍で再注目! カミュ『ペスト』に見る、人類と不条理との闘い 訳者・中条省平さんを迎えて
ペスト《日時》2021年10月28日(木)18:30~20:00
《会場》Zoom(オンライン)
《参加費》無料
《参加方法》2021年10月7日(木)10:30~10月28日(木)17:30の間、紀伊國屋書店ウェブストアにて、参加お申し込みを承ります。応募人数が予定を超えた時点で締切とさせていただきますのでご了承くださいませ。 ※ご案内メールを当日までにメールでご連絡します。メール配信日:10月25日・28日の2回
お申し込みについて、詳しくは 紀伊國屋書店ウェブサイトをご覧ください
[中条省平(ちゅうじょう・しょうへい)さんプロフィール]
1954年生まれ。学習院大学教授。フランス文学研究のほか、映画・文学・マンガ・ジャズ評論など多方面で活動。主著に『カミュ伝』『恋愛書簡術』『反=近代文学史』『フランス映画史の誘惑』。訳書に『狭き門』(ジッド)、『マダム・エドワルダ/目玉の話』(バタイユ)、『恐るべき子供たち』(コクトー、共訳)、『肉体の悪魔』(ラディゲ)、『花のノートルダム』(ジュネ)、『消しゴム』(ロブ=グリエ)、『にんじん』(ルナール)、『すべては消えゆく』(マンディアルグ)ほか多数。
中条省平さんのプロフィール詳細(古典新訳文庫での訳書一覧)