非正規の郵便配達の仕事を得たチナスキー。最初は楽な仕事と思われたが、やがて人使いの荒い上役や、配達先の変人たちに悩まされ…… 二十世紀アメリカのカリスマ的作家が、仕事、酒、女性に明け暮れたデビュー前の日々を描いた自伝的小說。
マルチェッロが殺人を犯したのは十三歳のとき。以来、正常であろうと努め、果てはファシズム政権下の政治警察の一員に。人並みな結婚を目前にある暗殺計画に関わるが、そこで思わぬ感情の昂ぶりを感じ……。著者円熟期の代表作。
物語は一気に加速する。〈ぼく〉は臨終の床にある戸籍上の親マカールと出会い、その数奇な放浪譚と信仰心から清冽な印象を受けて「復活」に向かう。謎の手紙をめぐる陰謀、実父ヴェルシーロフとの熱く長い会話、そしてついに驚愕の事件が……。