2022.12.23

【Zoom配信】紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#86 プラトン対話篇とはひと味違う! もう一人の弟子が書いた『ソクラテスの思い出』に学ぶ師の教え 訳者・相澤康隆さんを迎えて

相澤康隆さん

アテナイ出身の軍人であり、文筆家のクセノフォンは、若い頃にソクラテスに出会い、弟子となりました。プラトンとは同世代になります。その彼が師であるソクラテスの日々の姿を自らの見聞に忠実に記した追想録が、今回取り上げる『ソクラテスの思い出』です。


ソクラテスへの告発に対する反論から始まり、その後は徳、友人、教育、リーダーシップなどについて対話し、行動する師の描写を通じて、彼がいかにすばらしい人間で、いかに有益な人物であったかが、熱意をこめて記されています。プラトンの対話篇では、ソクラテスは対話相手を挑発し、問い詰めるような、ちょっとおっかない感じがしますが、ここでは相手に“答え”を教え諭す、教育者としての姿が前面に出ているのが特徴です。


取り上げているテーマはほかに、飲食と性の快楽、友人の値打ちと買い時、老後の仕事、有能な市民の務め、人を惹きつける方法、宴会のマナー、自制心と自制心の欠如などで、さまざまな人生訓を含んでいることから、ソクラテスの「人生論」ともいえる書物だと思います。

今回の読書会では、この作品を新訳した相澤康隆さんをお招きし、プラトン対話篇とはひと味違う本書の魅力について、たっぷり語っていただきます。 


(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

 

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会 #86
プラトン対話篇とはひと味違う! もう一人の弟子が書いた『ソクラテスの思い出』に学ぶ師の教え 訳者・相澤康隆さんを迎えて
『ソクラテスの思い出』クセノフォン/相澤康隆訳《日時》2023年1月31日(火)18:30~20:00
《会場》Zoom(オンライン)
《参加費》無料
《参加方法》2022年12月23日(金)~2022年1月31日(火)18:30の間、紀伊國屋書店ウェブストアにて、参加お申し込みを承ります。 ※ご案内メールを当日までにメールでご連絡します。メール配信日:1月30日・31日の2回
お申し込みについて、詳しくは 紀伊國屋書店ウェブサイトをご覧ください
[相澤康隆(あいざわ・やすたかさん)プロフィール]
1979年生まれ。山梨大学大学院総合研究部准教授。東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻博士課程修了、博士(文学)。古代ギリシャ哲学専攻。訳書に「政治学」(『アリストテレス全集17』所収、共訳)、『徳は知なり:幸福に生きるための倫理学』(ジュリア・アナス)など。
相澤康隆さんのプロフィール詳細(光文社古典新訳文庫での訳書一覧)
[駒井稔(こまい・みのる)さんプロフィール]
1956年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。’79年光文社入社。広告部勤務を経て、’81 年「週刊宝石」創刊に参加。ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。’97 年に翻訳編集部に異動。2004 年に編集長。2 年の準備期間を経て’06 年9 月に古典新訳文庫を創刊。10 年にわたり編集長を務めた。著書に『いま、息をしている言葉で。――「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、『文学こそ最高の教養である』(光文社新書)、『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(書肆侃侃房)がある。