2023.06.06

【Zoom配信】紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#91  稀代のプレイボーイ、世之介の飽くなき好色生活が大ベストセラーに! 『好色一代男』の訳者・中嶋隆さんを迎えて

中嶋隆さん時は江戸時代、元禄直前のこと。主人公の世之介は、7歳で色事に目覚めて腰元をくどき、12歳で風呂屋女(湯女)と寝るような早熟ぶりを発揮し、放蕩のすえに勘当されます。とはいえ、止められないのが色の道。地方を遍歴し、莫大な遺産を手にした後は、名高い遊女たち、男衆との好色生活をつづけ、相手にした女性は3742人に男性が725人! いやはや、その精力たるや恐るべし。そんな稀代のプレイボーイの好色生活を描いた井原西鶴のデビュー作にして大ベストセラーが、今回取り上げる『好色一代男』です。

相手にした数だけみれば、とんでもない色狂いの世之介ですが、超絶のモテ男かと思いきや、なかには失敗談やしみったれた色事もあって笑えます。そしてなにより、世之介は光源氏のパロディであり、『源氏物語』五十四帖を踏まえた54章から構成されていて、数々の先行する古典の文章が随所でもじられているなど、ただの「エロ小説(春本)」にとどまらない、じつに読みどころたっぷりの小説なのです。今回の読書会では、西鶴のクセのある原文の味を活かし、読んで心地よい訳文に仕上げた訳者の中嶋隆さんに、本書の魅力について、理解に欠かせない郭の文化も併せて語っていただきます。

(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会 #91
稀代のプレイボーイ、世之介の飽くなき好色生活が大ベストセラーに!
『好色一代男』の訳者・中嶋隆さんを迎えて
『好色一代男』井原西鶴 /中嶋隆 訳《日時》2023年6月28日(水)18:30~20:00
《会場》Zoom(オンライン)
《参加費》無料
《参加方法》2023年6月7日(水)~2023年6月28日(水)18:30の間、紀伊國屋書店ウェブストアにて、参加お申し込みを承ります。 ※ご案内メールを当日までにメールでご連絡します。メール配信日:6月26日・28日の2回
お申し込みについて、詳しくは 紀伊國屋書店ウェブサイトをご覧ください
[中嶋 隆(なかじま・たかし)さんプロフィール]
1952年長野県生まれ。早稲田大学名誉教授。作家。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は西鶴などの江戸時代文芸・文化研究。著書に『西鶴と元禄メディア』『初期浮世草子の展開』『西鶴と元禄文芸』『西鶴 「誹諧独吟一日千句」研究と註解』等多数。小説『廓の与右衛門 控え帳』で第8回小学館文庫小説賞受賞。時代小説は他に『はぐれ雀』『補陀落ばしり物語』など。
中嶋 隆さんのプロフィール詳細(光文社古典新訳文庫での訳書一覧)
[駒井稔(こまい・みのる)さんプロフィール]
1956年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。’79年光文社入社。広告部勤務を経て、’81年「週刊宝石」創刊に参加。ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。’97年に翻訳編集部に異動。2004 年に編集長。2年の準備期間を経て’06年9月に古典新訳文庫を創刊。10年にわたり編集長を務めた。著書に『いま、息をしている言葉で。――「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、『文学こそ最高の教養である』『編集者の読書論』(光文社新書)、『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(書肆侃侃房)がある。