2024.06.11

これから出る本(2024年7月・8月)

《2024年7月刊》
『十五少年漂流記 二年間の休暇』(ヴェルヌ/鈴木雅生訳)

ニュージーランドの寄宿学校の生徒たち十五人が乗り込んだ船が太平洋を漂流し、無人島の浜に座礁する。過酷な環境の島で、少年たちはときに仲違いしながらも、協力して生活基盤を築いていくが……。原書初版に収録された図版約90点も収録。

《2024年8月刊》
『19世紀ロシア奇譚集』(高橋知之/編・訳)

屋敷に棲みつく霊と住人たちの関わりをユーモラスに描く「家じゃない、おもちゃだ!」、ある女性に愛されたいために悪魔に魂を売った男の真実が悲しい「指輪」、列車で同席した五等官がわたしに特定の駅で降りろと勧める「乗り合わせた男」、悲劇的な最期を遂げた歌い手の秘密に迫るにつれ……文豪トゥルゲーネフ作の心理ホラー「クララ・ミーリチ――死後」など7篇。リアリズム礼賛の蔭で忘却されてきた怪奇幻想の豊饒な世界。

【収録作/全7篇のうち「クララ・ミーリチ」以外は本邦初訳!】 

「アルテーミー・セミョーノヴィチ・ベルヴェンコーフスキー 」 アレクセイ・トルストイ
「指輪」 エヴゲーニー・バラトゥインスキー
「家じゃない、おもちゃだ!」 アレクサンドル・ヴェリトマン
「白鷲――幻想的な物語」 ニコライ・レスコフ
「どこから?」 フセヴォロド・ソロヴィヨフ
「乗り合わせた男」 アレクサンドル・アンフィテアトロフ
「クララ・ミーリチ――死後」 イワン・トゥルゲーネフ

《続刊》
『城』(カフカ/丘沢静也訳)

ある冬の夜ふけ、測量士Kは深い雪のなかに横たわる村に到着する。城から依頼された仕事だったが、城に近づこうにもいっこうにたどり着けず……。奇妙な、喜劇的ともいえるリアルな日常を描いた最後の未完の長編。史的批判版からの新訳。

《続刊》
『赤い小馬/銀の翼で スタインベック短篇集』(スタインベック/芹澤恵訳)

農家の少年が動物の生と死に向き合いながら成長していく、自伝的中篇「赤い小馬」のほか、名高い短篇「菊」「白いウズラ」「蛇」「朝めし」「装具」「正義の執行者」、さらに2014年に発見された幻の掌篇「銀の翼で」を本邦初訳として収録。

《続刊》
『沈黙の春』(レイチェル・カーソン/渡辺政隆訳)

化学薬品の乱用で自然(生態系)が破壊され、人間をも蝕んでいくその恐ろしさを最初に告発した生物学者レイチェル・カーソンの代表作。残留農薬の問題をいち早く指摘し、社会に大きな影響を与えた。歴史を変えた世紀のベストセラーの新訳。