19世紀のロシア文学といえば、ドストエフスキー、トルストイといった大作家による長大な作品群を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし光文社古典新訳文庫で今年8月に刊行された『19世紀ロシア奇譚集』の編者・翻訳者であるロシア文学者の高橋知之さんによると、実際には、当時も多くのロマン主義的な作品や大衆向けの作品が存在し、とりわけ怪奇小説や幻想小説が花開き、咲き乱れていたのだといいます。この時代にロシアで多くの怪奇・幻想文学が誕生し、広く読まれた理由とはいったい何だったのでしょうか。また、その後の読書界あるいはロシア文学研究の世界からも、これらの怪奇・幻想文学が忘れられていったのはなぜだったのでしょうか。
今回の読書会では、高橋知之さんをゲストに迎え、この時代の怪奇・幻想物語の特徴や面白さについて存分に語って頂きます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)