農家の少年が動物の生と死に向き合いながら成長していく、自伝的中篇「赤い小馬」のほか、名高い短篇「菊」「白いウズラ」「蛇」「朝めし」「装具」「正義の執行者」、さらに2014年に発見された幻の掌篇「銀の翼で」を本邦初訳として収録。
ある冬の夜ふけ、測量士Kは深い雪のなかに横たわる村に到着する。城から依頼された仕事だったが、城に近づこうにもいっこうにたどり着けず……。奇妙な、喜劇的ともいえるリアルな日常を描いた最後の未完の長編。史的批判版からの新訳。
十月の雨の朝、静かな町で起きた殺人事件にはあるビラが関係していた。ビラの内容は住民たちの疑心暗鬼を生み、息苦しく不気味な雰囲気が町全体を覆っていく……。「暴力時代」後のコロンビア社会を描く、死体と腐臭と謎に満ちた物語