少女・アデルの家庭教師として生活するうちに、ジェインとロチェスターは、お互いの中にある情熱、優しさ、聡明さに気づき惹かれ合う。愛を深めていく二人。だが、運命は過酷な試練をジェインに用意していた。苦悩の果て、二人に訪れた結末は......。究極の愛は結実するのか!?
幼くして両親を失い、伯母の家と寄宿学校で育ったジェイン。自立を決意し家庭教師として赴いた館で、主のロチェスターと出会う。惹かれ合い、愛し合う二人。だが運命は過酷な試練をジェインに用意していた----恋愛小説の要素はすべてここにあると言われた、凛として自分の愛を貫く女性の波乱の物語。
理性によって己を律しながら、文字通り全身全霊をっもって愛することを知っているチャーミングなジェイン・エアが語るこの物語のどこかで、もし涙を流すひとたちがまだいるなら、この二十一世紀に絶望するのはまだまだ早いのかもしれないと思う。
著者年譜 |
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シャーロット・ブロンテ Charlotte Brontë |
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[ 1816 - 1855 ] イギリスの小説家。エミリー、アンの二人の妹も作家で、「ブロンテ三姉妹」と呼ばれる。父親が牧師であることから牧師館で育ち、早くから文学的素養を培う。私塾経営を試みたり、ブリュッセルに渡って英語教師となるなど、三姉妹の中でも活動的だった。主な作品に『教授』『シャーリー』『ヴィレット』など |
[訳者] 小尾芙佐 Obi Fusa |
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1932年生まれ。津田塾大学英文科卒。翻訳家。訳書に『闇の左手』(ル・グィン)、『われはロボット』(アシモフ)、『アルジャーノンに花束を』(キイス)、『IT』(キング)、『消えた少年たち』(カード)、『竜の挑戦』(マキャフリイ)、『夜中に犬に起こった奇妙な事件』(ハッドン)、『くらやみの速さはどれくらい』(ムーン)、『ジェイン・エア』(C・ブロンテ)、『高慢と偏見』(オースティン)、『幸福な王子/柘榴の家』(ワイルド)ほか多数。 |