2012.07.18
《書評》『ブラス・クーバスの死後の回想』―ラティーナ2012年7月号
月刊ラティーナ2012年7月号の書評ページで『ブラス・クーバスの死後の回想』(マシャード・ジ・アシス 武田千香/訳)を取り上げていただきました。(評者:岸和田仁さん)
●月刊ラティーナウェブサイト>>
(前略)ブラジル文学となると在伯日本語文学雑誌(「コロニア文学」など)での試みを視野にいれても名作を複数の翻訳で読めるという"贅沢"はほとんど許されていなかった。
そんな"断食期間"にピリオドを打つ"事件"が、このほど光文社(古典新訳)文庫から発刊されたマシャード文学の傑作『ブラス・クーバスの死後の回想』である。
(略)
一言でいえば、ブラジルという国境も19世紀末という時代も超越して読み継がれている古典であり、その日本語訳が二つになったことを評者として素直に喜びたい。
(略)
巻末の解説は、単なるお飾り的訳者解説ではない、渾身の文学エッセイだ。多くの人に、この豊かな文学世界を奨めたい。