紀伊國屋書店電子書店Kinoppyとのコラボレーション企画「Readers Club読書会(Readin Session)」、第19弾はガストン・ルルー『オペラ座の怪人』の訳者・平岡 敦さんをお迎えして開催します。
異形の怪人エリックは、愛する歌姫クリスティーヌに秘密の特訓を施して鮮烈なデビューをさせる一方、邪魔者には残忍な手を使うことも厭わない。とうとうクリスティーヌを誘拐して、追っ手を逃れようとするが......
『オペラ座の怪人』はミュージカルや映画でご存じの方も多いと思いますが、ガストン・ルルーによる原作小説は、ノンフィクション風の構造の中に、ミステリー、怪奇、ユーモア、ロマンスの要素を見事に織り込んだ、「20世紀フランス大衆小説の大傑作」です。ちょっと大部な作品ですが、平岡敦さんの巧みな新訳は読者を飽きさせません。華やかなオペラ座の表舞台と、慌ただしい舞台裏、そして怪人の棲む秘密の地下構造まで、場面の空気の温度を肌で感じられるようであり、また登場人物の心情が行間から浸み出してくるようでもあります。平岡敦さんは、本作で、本年度の日仏翻訳文学賞を受賞されています。
この「怪作」を訳すうえでの苦労や工夫、そしてフランスの文学やミステリーの魅力について、平岡さんに縦横に語っていただきます。