古代ギリシャの三大悲劇詩人の一人ソポクレスは、生涯に120を超える悲劇を書いたと言われますが、現存するのはわずか7篇のみ。そのなかで最も有名な作品が『オイディプス王』です。英雄として迎えられたオイディプスは、危機に瀕するテーバイ国を救うために神託を請いますが、それは「先王ライオス殺害の犯人を罰せよ」でした。真相が明らかになるにつれ、みずからの出生の秘密を知ることになる彼を待ち受けていた運命とは? エディプス・コンプレックスの元になるなど、後世の文学・思想に大きな影響を与え、全世界で今も上演されつづけるギリシャ悲劇の最高傑作です。
今回の読書会では、この『オイディプス王』の魅力とその特徴について、シェイクスピア劇の翻訳だけでなく舞台上演にも積極的に関わって活動する河合先生に、ご自身の演劇との出会いも含めて語ってもらいます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)