『ロビンソン・クルーソー』といえば、28年も無人島で生き抜いた人の物語として有名ですが、その魅力は刊行から約300年経っても色あせないばかりか、この現代に読むと新たな感銘や発見すらあります。
それはロビンソン・クルーソーが実に「近代的な」人間であること、そしてこの作品が英国初の「ノベル」と呼ばれることと関連があるかもしれません。この小説・作家・登場人物は、他の作品と何が違っているのでしょうか。また、端的にいって、この作品がいま読んでも面白いのはなぜなのでしょうか。
今回の読書会では、新訳『ロビンソン・クルーソー』の翻訳者で気鋭の英文学者である唐戸信嘉さんをお招きし、作家デフォーの生涯や、本作が生まれた背景について解説していただきつつ、本書の読みどころ、翻訳にまつわるエピソード、そして本作が世界中の読者を魅了してやまない理由について、たっぷりと語ってもらいます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)