20歳の女性作家シェリーが1831年に発表した小説『フランケンシュタイン』。天才科学者と彼が作り出した人造人間の奇妙で哀切な物語は多くの人々の心をつかみ、何度も絵画化・映像化されてきました。また、シェリーが発した、科学の進歩の延長にある未来は果たして明るいものなのか、という問いは、その後現れた多くのディストピア小説やSF小説のテーマとして普遍的なものとなっており、その後のイギリス文学の想像力の源泉と言えるかもしれません。
今回の読書会では、『フランケンシュタイン』を新訳された英文学者の小林章夫さんをお迎えし、当時の社会について、また本作の魅力と楽しみ方、そしてそこから始まるイギリス文学の豊穣さについて縦横に語って頂きます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)